ITmediaに「中国モノづくり」コラムの連載開始!

ITmediaのWebサイトのMONOistで「中国モノづくり」のコラムの連載が始まりました。「リモート時代の中国モノづくり、品質不良をどう回避する?」が連載のタイトルです。今回はその第1回目、「『あうんの呼吸』に頼る日本人の仕事のやり方」です。
日本人が中国でモノづくり(部品や製品を作ること)をすると、いまだに不良品が発生したり中国人とのやりとりでトラブルが起こったりします。日本が中国でモノづくりを始めて既に40年が経過していますが、いまだにそれは頻繁に起こっています。中国の技術レベルは格段にアップし、現地のメーカーのほとんどには日本語レベルの高い日本語通訳がいるのにです。何故なのでしょうか?
答えは3つあります。一つは中国人には中国人の国民性があり、中国人の仕事の仕方があります。日本人はそれを理解していないのです。典型的なのは、日本の「あうんの呼吸」頼った仕事の仕方が、中国人には通用しないということです。「そこら辺は御社に一任します」とか「目立つ傷はなくしてください」とかです。トラブルを起こした日本人が「普通〜のハズだよね」と言うのはこのためです。
もう一つは、日本語通訳に私たちの日本語が通じていないということです。日本語通訳といってもプロの通訳ではありません。日本語のできる中国人です。私たちが普通に会話すると、8割方しか通じていないのです。理解してもらえる話し方にはちょっとしたコツがあります。「確かに〜と言ったハズ」と言うのはこのためなのです。
最後の一つは、エンジニアが製造現場を細かく確認しないことです。日本ではエンジニアが製造現場をつぶさに確認する必要はありません。それは、不良品がほとんど発生しないからです。でも、中国ではそうはいきません。いつの間にか作業方法が変わっていたり、日本人の感覚では考えられない方法で作業している場合もあります。不良品が発生してから「こんなハズじゃなかった」となるのはこのためです。
しかし、中国でもトラブルや不良品なく、上手くモノづくりができている人もいます。iPhoneは、既に10年以上にわたって中国で部品と製品を製造しています。
この問題は、中国だけで起きることではなく他の国でも日本人は不良品やトラブルを起こします。その理由は、世界の中で日本人が特殊な仕事の仕方をしているからなのです。では、私たちは何をどう改善していけば良いのでしょうか。私はそれをMONOistのコラムで、7年間の中国モノづくり経験から実際のエピソードを交えてお伝えしようと思います。
このコラムは以前にも、日経BP社「日経ものづくり」(Webでは日経XTECH)と日刊工業新聞社「機械設計」に類似のコラムが掲載されていました。しかし、どちらも本の購入が必要か、もしくは有料サイトでしたので、皆さまがご覧になることはあまりなかったかもしれません。MONOistは誰でも見れる無料サイトとですので、是非ともご覧になっていただければと思います。