日本の町工場の現状

日本の町工場がどんどんなくなっていっている話は、既にかなり知れ渡っていると思います。私の聞くところによると町工場全数の53%は3人以下、6〜7割が赤字と聞いています。とても厳しい状況と思います。3人以下ということはきっと家族経営で、後継がいなければ廃業ということになると思います。

品質が悪い、経営が悪い町工場であれば、なくなっていくのは仕方ありません。しかし、「痛くない注射針」で世界的に有名な岡野工業でさえも2018年に廃業。どうしてなんでしょうね、技術が良くても廃業するの?

ところで、製造業っていったいどんな会社がありますか?と私が質問をすると、意外に答えられない人はたくさんいます。製造業は主に次の3つがあります。まずは設計をする会社、トヨタやソニー、住友重機、旭化成などです。次に部品を作る会社、いわゆる町工場です。そして最後は組み立てる会社です(組立工場)。この組立工場は設計をする会社の関連会社が多いのですが、基本は分社化されています。そしてそのほとんどが中国にあります。他のアジア圏にも増えていっていますが、中国の人口は14億。その規模からいっても、ほとんどは中国にあります。

組立工場は主には人件費の関係から、2000年くらいからほとんどは中国に移転してしまって、それにつられて組立工場に部品を納める部品メーカーも中国に変わってしまいました。町工場が中国に日系企業を作ったり、部品メーカーが中国のメーカーに変わっていきました。こうして、日本の町工場から仕事はなくなっていったのです。

でも、とてももったいないことがあるのです。日本の町工場は相変わらず、素晴らしい技術力を持って明らかに中国とは差別化のできる部品を作製することができるのに、中国の中国の部品メーカーに仕事が奪われていってしまったのです。この素晴らしい技術力とは、次の2つです。

1)バラツキの小さい部品を作製できる力
2)長期的な量産でバラツキを小さく生産できる力

1)は簡単にいうと「壊れない製品にする力」などのことです。2)は簡単にいうと「ほとんど同じ品質の製品にする力」のことです。2)は分かりにくいですが、今日この店で買った製品と、1年前にあっちの店で買った製品の品質が同じということです。1)はユーザーにとっては大切な品質です。2)は設計をする会社や組立工場にとってはとっても大切な品質なのです。同じものを量産しているのに、品質が変わってしまっては大変だからです。

これら1)2)の力が飛び抜けて優れているのが日本の町工場で、私の中国モノづくり経験では、中国は絶対に追いつけないところです。だから中国はIoTやロボットでこれを補おうと必死になっています。

しかし、こんな素晴らしい日本の町工場に、大きな3つの弱点があるのです。

1)発注者(設計をする会社)とマッチングができない
2)規模が小さすぎる
3)製造業全体のDXから取り残されている

ちょっと長くなるので、ここからはまた次回お伝えします。

ロジ代表 中国モノづくり/製品化のイロハ支援室 小田淳

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