カード支払いと交通機関の先進国チェコ、顧客視点と企業視点のものづくりの違い

2022年9月18日から2週間、チェコのプラハとその近郊に旅行に行って来ました。プラハ市街の道路はほとんどが石畳で、建物は石造です。ロマネスク式やゴシック式の外観がとても素晴らしく、見ていて飽きません。もちろんホテルも同じです。

この写真は、プラハ城のほぼ真下にある私のホテル周辺です。左側の手前から4つ目のピンクの建物と思います。

街並みは中世のままで、とても先進国のイメージはありません。しかし、お金の支払いと交通機関の支払いがとっても便利なのです。

なぜ、日本もこうならないのかなととっても羨ましく思った旅行でした。

いくら少額でもカード決済

ほぼ全ての支払いは、通常のVISAやJCBのクレジットカードで行います。それが例え、ミネラルウィーター(約170円)や交友機関の切符(約140円)であってもです。まずは、クレジットカードを使うことが当たり前となっていること。そしてもう一つは、レジでのカード決済操作の早いことです。現在の日本でも、カード決済はもちろん可能ですが、100円くらいのものでは、なんか気が引けてしまいます。「カードで」というと、レジの大きなレジ機もしくは、小さな端末をタブレットペンでポンポンと2〜3回クリックして、カード決済に切り替わり、そしてカードを通します。そして、レシートとカード決済レシートを手渡してくれて、けっこう時間がかかります。

しかし、チェコは違います。クレジットカードを小さな端末にかざして、「ピッ!」と鳴ったらそれで終わりです。3秒くらいです。日本でも、このかざすだけの「ピッ!」は見たことがあるのですが、カードを通すものがほとんどで、そしてなんか他にもいろいろ操作しています。チェコでも、高額になるとパスワードやサインを求められることもありますが、ここで言いたいことは少額での買い物です。圧倒的にスピードが違います。えっ、なんで日本ではこうならないのだろう?と思ってしまいます。これは技術の問題ではなく、「少額であっても支払いは基本カード」に踏み切れるか否かなのでかと思っています。

交通機関の賃金

街中を縦横無尽に走っているのがトラムという路面電車です。そして、やや郊外がバス。街中を大きく移動するときはメトロです。なんと、全部共通チケットでさらに、時間制限制です。料金表は左の通り。トラムは街中を縦横無尽に走っているので、もうちょっと向こうに行こう、と思えば、無料でまた乗れることになります。CZKはコルナと行って、今は5.8倍すれば日本円になります。市街を大きく移動すると、バス→トラム、バス→メトロ、メトロ→トラムの乗り換えはよくあります。乗り換えても、90分以内なら40CZKは安です。そして何より、便利です。

券売機でチケットをカードで買って、トラムやバスの中にある機械にチケットの一端を入れると、「カシャ!」と鳴って時刻が印字されます。それで終わりです。降りるときは何もしません。では、「何時間でも乗れてしまう!」と思ってしまいますが、ごく稀に検札が切符を持っているか、時刻は過ぎていないかをチェックします。乗り換え時は、何もしないで乗ります。

「顧客支援」と「企業視点」

このコラムでお伝えしたいことは、「顧客視点」です。カード決済も交通機関の乗車チケットも、支払いが顧客がもっとも便利になるにはどうしたら良いか、という視点で考えられた結果だと思います。

日本は違います。日本は「企業視点」のモノづくりやサービスづくりが主流になっています。どうしたら、企業が安定した売り上げを上げることができるか、ということになります。

私は箱根によくバイクで行きますが、箱根ターンパイクはETCXというものを使用します。ETCをWeb上で登録をすると、ETCXの機能が付加されます。なぜ、ETCをそのまま使えるようにしないのか、不思議でなりません。道路の管轄が違うのですね。Webでは受信するセンサーの設置費用の問題とい書いてありましたが、絶対そうではないと思います。ここでのその説明は割愛します。そして、ターンパイクを過ぎると、伊豆スカイラインや芦ノ湖スカイラインなど、バイクにとっては魅力的な道路が他にもあるのですが、なんと現金のみです。なんで、全部ETCに統一しないの?と思ってしまいます。

あとは、同じJR東海道線でも函南〜熱海間はスイカが使用できません。JR東海の管轄はトイカなのです。詳細はWebを参照してください。とっても驚きです。すごい不便ですが、システムが連携できないのでしょうか?

私は身長が192cmあり、足のサイズは31cmです。嫁はその逆で、身長が150cmで足のサイズは22cmです。日本では、2人とも靴がほとんどありません。私の靴は皆無と言って良いです。大きい靴屋があるのですが、いざ選ぶ段階になると結局はありません。好みを言わなければ、大きい靴が置いてある程度のものです。だから、私は海外で買うしかないのです。今回のチェコでは、いつもの海外旅行と同じく2足買いました。これが、ハワイに行くと私も嫁も靴があるのです。アメリカ人は大きいから大きい靴があるのは納得行きますが、嫁のサイズもあるのです。「顧客視点」と思います。日本は、もっとも売れ筋しか用意しない「企業視点」の品揃えです。

最近は、「顧客視点」とマーケットイン、「企業視点」をプロダクトアウトと言っています。同じことです。日本は、戦後にアメリカに追いつこうと必死に企業は頑張って来ました。よって、国も企業を支援して企業の成長が第一優先にする考え方が主流となって来ました。さらには、物が不足していたので、良いものを作ればどんどんと売れる時代でした。よって、「顧客視点」にせずとも、物は売れて企業は成長して行き、これが当たり前で日本の成長を支えて来ました。

でも、今時代は大きく変化して来ています。その一番は、ライバルに海外企業が入って来たことです。モノでは中国、サービスではアメリカです。そして、インターネット環境が整い、ニッチであまり知られていない企業もライバルになってきたことです。よって、顧客は以前より多くの種類のモノやサービスを、比較吟味できるようになって来たのです。

そこに、輪を掛けてSDGsとカーボンニュートラルです。企業の社会に果たすべき役割や存在意義が問われるようになって来ました。パーパス経営、ミッション、バリューなど、企業はどれだけ顧客と社会のことを考えて、モノとサービスを提供していいるかが問われています。多くが「企業視点」で成長してきた日本企業にとっては、なかかなの難題と思っています。意識改革が必要です。

私はスタートアップを支援しておりますが、そこでもけっこうこの問題にぶつかっています。特にアントレプレナーは、「株価を上げたい」や「WebのPV率を上げたい」などにフォーカスしてしまって、私から見ても「この人の志って何なんだろう?」と思ってしまいます。

ものづくりではこの「顧客視点の志」がとても大切です。「顧客に対して、どんな幸せを提供できる市場を作りたいか」ということになります。これがなく、「こんな技術できた、絶対すごい、売れないわけない!」だと絶対売れないのです。しかし、実際のところは後者がほとんどですね。そんな方に、「顧客視点の志」をセミナーでお伝えしております。

大きな意識改革が必要な時代になって来ました。

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