文字で英語を学習する、効率悪い日本の教育

以前にも、日本の英語教育に関してお伝えしましたが、ちょっと分かりにくい点があったので、今回はより簡単にお伝えしようと思います。

私たちが幼少のときに、どのように言葉を覚えていったか、もしくは親は自分の子供にどのように言葉を教えているか、それは次のような感じだと思います。

1)子供が花を見る
2)子供がお母さんの言う「はな」を聴く
3)子供が「は〜な〜」と発声する

これを繰り返していき、「視覚の『花』」と「聴覚の『はな』」と「発声した『はな』」、つまり、「視覚(目)」と「聴覚(耳)」と「発声(口)」が一致するすことによって、言葉を覚えていっていると思います。

では、「文字」の役割は何でしょうか?文字の役割は「伝達」です。遠方にいる人に伝達するのがメールや手紙で、未来の人に伝達するのは記録や議事録になります。つまり距離的、時間的に直接伝えることができない人には、上記の1)〜3)で必要な目、耳、口が使えないので、文字での伝達が必要になるのです。文字ではなく、写真添付や音声でメールを送る方法もあります。最近のトレンドはメールではありませんが動画のTikTokがあります。

そしてその伝達するときには、その場に伝達する相手の目、耳、口はいないので、いったん何かの記号に置き換える必要があります。その記号が「文字」なのです。 文字は色々なものに書かれています。小説家は、出版後に遠いところにいる未来の人に自分の作ったお話を小説本で伝えます。議事録は、会議後の既に会議室にはいない未来の人にその内容を伝えるものす。道路の案内標識は、不特定多数のいつかその標識の前を通る未来の人に、ある案内を伝えるものです。「遠方にいる未来の人に情報を伝える手段」が「文字」になるのです。

ここで私が考えることは、この記号である「文字」で英語をはじめとする外国語を勉強するのは、とても効率が悪いということです。一般的に人間が普段行う行動は、最も効率良いものとなっています。人類は過去から進化してきているからです。つまり、言葉を学ぶには上記の1)〜3)が最も効率良いのですが、現在の学校における英語の学習はそうはなっていなく、「文字」で学習しているのです。 「文字」で英語を学習すると、次のようになってしまいます。例えば、「花」を見て「Flower」と発声することを考えてみましょう。

まず、「花」を見ます。次に、脳の中で「花の映像」を「花」だと文字化します。そして「花=Flower」の変換をします。そして、「Flower」と発声するのです。もし、「花の映像」を「Flower」と理解していれば下のイラストのようになり、上の「文字」による変換作業は必要ありません。ストレスなく、とっても簡単に言葉を覚えられます。

この「花」の場合、変換作業は1回なのでまだ良い方です。次に2人での会話の場合を考えてみましょう。友達から「I’ll go back」と言われます。「I’ll go back」を文字化して「戻ります」に変換します。その後に「戻ります」の返事を考えて「あとでね」と思いつきます。そして「あとでね」を文字化して「See you later」に変換します。その後、「See you later」と返事をするのです。「文字」による変換作業が2回もあります。時間もかかるし、ストレスも大きいです。一方、その下のイラストを見てください。「I’ll go back」の発声の意味を理解していれば、その返事を「See you later」と考えます。そして、「See you later」と発声するのです。2回の変換作業が不要になります。

私は幼少の頃に、父の転勤の都合でギリシャに住んでいました。その頃は日本人学校がなかったので、1年半だけアメリカンスクールに通っていました。でも、学校生活のほとんどは、私以外に3人しかいなかった日本人と遊んでいました。とはいっても授業中は外国人と会話していたと思います。でも、全く記憶にはありません。その後は、就職しても英語を話す機会はあまりありませんでした。しかし、英語はやや得意の方であったのは確かです。学生の頃から現在においても、旅行や仕事で外国に行き長時間英語で話していると、最初はいちいち頭の中で日本語→英語、英語→日本語の変換をしているのが自覚できるのですが、30分、1時間と経過してくるしたがって、脳が英語だけで考えていることが自覚できるようになってきます。そしてその後は1人でいるときでも、英語で考え事をしていることがあります。「あー、英語に直でつながった、脳ってこうなっていくんだ」と、今でもよく思うことがあります。

仕事でシンガポールに長期出張したことがあります。シンガポール人の英語は、英語の中でもなまりがひどくシングリッシュといわれています。出張の前に、仕事相手のシンガポール人が日本に出張に訪れ、会議が行われました。プロジェクターでパワポを映しながらシングリッシュで説明をしてくれます。英語がそんなに上手ではない私でも、パワポを見ながらでしたらだいたいは理解できます。ところが、そのシングリッシュが全く、まさに一言も分からなかったのです。近くにいる英語の得意な日本人に「何て言っているか分かります?」と聞くと、「ぜんぜん。。。」と言います。それくらい、シングリッシュは聞き取れなかったです。

このコラムの本題からはずれてしまいますが、その例を3つ紹介しましょう。シンガポールへの2回目の入国のときの話です。その時期はSARSの真っただ中でしたが、意を決して出張に行きました。イミグレーションで入国審査の用紙に名前などを記入して提出します。そのとき、係員が用紙の右下のマス目を指差しながら「セナ!」と言うのです。先回は2週間滞在したので、シングリッシュはやや聞き取れはじめていた頃です。「『セナ?』う〜ん」、と悩んだ末、「signature、つまりサインだ」と理解をしてサインをしたのです。そうしたところ「違う!」言われました。後から「seat number」だったことが分かりました。SARSの時期だったので、どこに座ったかの記録が必要だったのです。

もう一つは、出張時に体調不良なったときのことです。仕事相手のシンガポール人が気を遣って「Eatエッ!」というのです。食べ物の英語はたいてい知っています。でもこのときの「エッ」は分かりませんでした。何度聞き直しても「エッ」なのです。最終的には「Egg」であることが分かったのです。「卵を食べろ」言ってくれたわけです。これと似たようなものに「カーパ」もあります。これは「Car Parking」です。とても歯切れが良い言い回しなのですが、難易度はとても高いです。これから約半年、この言葉で仕事をしていくのかと考えるとちょっと憂鬱でした。

2回目の出張では、2ヶ月半滞在しまし、2週間ぐらい経過した頃、「小田さん、だんだん分かってきましたね」とシンガポール人の仕事相手に褒められました。この出張では、日本人は私一人で、日本に電話するとき以外は四六時中シンガポール人と話していました。そして、さらに数週間が経過した頃には、ほぼ100%シングリッシュが聞き取れるようになっていたのでした。自分では、驚きでした。最初は一言も分からなかったシングリッシュが聞き取れるのです。目、耳、口の「見る」「聞く」「話す」がこんなに効果があるとは、とても驚きだったのでした。

私は中国駐在中に、日本語のかなり上手な中国人に「何で日本語を勉強したの?」とよく質問していました。中国人の回答は全部といって良いほど同じで、それは「日本のテレビ見て勉強した」なのです。「見る」と「聞く」は大切なのですね。

日本は受験のための英語教育です。試験は事前に問題を作って、未来の受験生に伝達するので文字化が必要となります。試験問題が文字で書かれ、それに文字で回答することは仕方がないことと思います。しかし、学校の授業ではもっと「見る」「聞く」「話す」の機会を増やしても良いのではないでしょうか。私は英語圏以外の海外に旅行に行ったときにも、英語の上手な人がいると「なんでそんなに上手なの?」とよく質問します。たいていの答は「学校で勉強したから」です。日本人も同じなんですが、、、驚かされます。英語の苦手な日本人は、世界的での日本人の優位性を下げている大きな一因です。私は中国に駐在していましたが、中国では日本語のできる中国人が多くいたため、英語を使う機会はそんなに多くはありませんでした。しかし、日本語のできない中国人に対しては英語での会話となります。こそのようなときに日本人の英語力が試されるのです。日本の一流企業からやってきたそこそこ年配のマネージャーの日本人が、ほとんど英語ができなかったりすると、それは中国人にとってはとても驚きなのです。

解決方法は、ここまでお伝えしてきたことです。そんなに、難しいことではないと思います。日本の英語教育は変わっていって欲しいものです。このようなことが世間で言われ続け、もう何年も経つので、そろそろではないかなと期待しています。

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