日本人が英語下手な理系的発想による原因!

私が以前から、日本の英語教育で「絶対にこんな教育じゃ、しゃべれるようにはならないよなぁ〜」と思っています。「なんで、文字で勉強するんだろう?」と思うのです。確かに、学校で習ったことや、英語の勉強の本を買って家で勉強するときには文字で勉強するのも仕方ないかもしれませんけど、学校には先生がいて、対面で授業ができて、なんで教科書の文字を読んで英語を勉強するの?と思っています。

モノは、「見る映像」と「聞く音声」と「話す発声」の3つで理解されます。例えば、小さい子供が”ねこ(猫)”を学ぶとき、猫が歩いていてお母さんが猫を指差して子供に見せます。これが「見る映像」ですね。そして、次にお母さんが「ねこ」と言い子供はそれを聞きます。これが「聞く音声」です。そして、最後に子供は「ねこ」と発声します。これが「話す発声」です。この3つが一致して”ねこ”が理解されるわけですね。つまり、目と耳と口の一致です。

このコラムをお読みの皆様は、ほとんどこのようにして言葉を勉強してきましたと思います。昔のことで、私は覚えていませんが、、、

でも、学校の授業はどうでしょう?教科書に猫のイラストがあってその横に”ねこ”と書いてあるかもしれません。猫のイラストが上手でしたら、これでも問題ないかもしれません。しかし、猫以外にも言葉はたくさんあり、それらはほとんど文字で書いてあります。その文字から「見る映像の”ねこ”」と「聞く音声の”ねこ”」と「話す発声の”ねこ”」を理解するのです。なんか遠回りしている気がしませんか?文字から理解しているのです。

上のイラストは英語で「Cat」と聞いた場合です。「Cat」と聞いてそれを「Cat」の文字にします。そして学校で勉強したとおりに「ねこ」の文字に変換して”ねこ”を理解します。遠回りですね。「Cat」の発音が即”ねこ”の映像になればいいのに、と思います。

下は「Cat」と言いたい場合です。”ねこ”を見つけたとします。それを誰かに伝えたい!まず”ねこ”の映像を「ねこ」の文字にして、学校で勉強したとおりに「Cat」の文字に変換します。そして、「Cat」と発音するのです。”ねこ”の映像から即「Cat」と発音できればいいのに。。。日本人はこのような脳の仕組みになってしまっているのです。

文字の役割は伝達と記録の手段です。メールに文字を書く、これが伝達ですね。会議で議事録を残す、これが記録です。議事録は伝達の役割も果たします。でも、学校の対面の授業で伝達と記録は必要ないと思います。学校では教科書を使って、基本文字で授業をします。脳の中で一旦文字を経由する必要があるのです。無駄な労力なんです。これが日本人の英語下手の原因になっていると思います。効率の悪い英語の勉強方法です。日本の英語教育は英語を話せて聴けるようになることが目的ではなく、試験問題で高得点をとるためにあるのもです。試験は文字で行わざるを得ません。質問を作った人から、試験を受ける人に質問を伝達する必要があるからです。目的が試験だから、話せて聴けるようにはならないのです。当たり前ですが。

中国駐在時に英語の上手は若者に「なんで英語上手なの?」と聞くと皆同じことを言います。「学校で勉強したから」そして「日本も一緒でしょ?」と聞かれます。学校で6年間も勉強すれば、普通に会話できて当たり前なのに、日本人はそれができない。中国人はそれが不思議なのです。私の中国駐在の仕事では、英語の必要な場面もあります。日本人の英語力のなさには、中国人もビックリです。もちろん慣れているので、そんなには驚きませんが。

中国で日本語の堪能な中国人は、ほとんど日本のテレビ番組で日本語が上手になってます。見る映像と聞く言葉の一致ですね。ロゼッタストーンという外国語の勉強教材があります。これも映像、音声、発声で勉強します。私は中国でこれにお世話になりました。

今の日本人は外国に行くとかなり厳しい状況を強いられます。以前は、国力の強い国の日本人は大切なお客様であり大歓迎されました。だから、アジアの国々では日本語通訳を用意してくれるのです。しかし、今の日本の国の力ではかなり厳しい状況になり始めていると思います。日本人と一緒に仕事しても、あまりメリットはないからです。このコラムをお読みの方は「それ、どういうこと?」とお思いかもしれませんが、それが今の日本の現状なのです。でも、日本には魅力のあるモノがたくさんあります。言葉で強力にアピールできればいいのですが、口下手の日本人にプラスして英語ができない。とても、厳しい状況なのです。80点の出来のモノを120%でアピールする中国人にはかないません。日本人は100点のモノを80%でアピールします、というかできないのです。

打開策はあります。教育です。基本は学校教育です。文科省に頑張って欲しいのです。まずは、現状に気付くことと思います。ご支援したいです。

ロジ代表 中国モノづくり/製品化のイロハ支援室 小田淳

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